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  • 執筆者の写真健太 幸田

「定額料金・通い放題の塾」を始めた理由 「履修主義」から「修得主義」へ

更新日:2022年5月17日

かなり大雑把に言えば、

「履修主義」= 出席さえしていれば、(出席していなくとも)学年が上がり卒業できる制度

「修得主義」= 基準の成績に達しないと、進級も卒業もできない制度


「義務教育の目標を達成するための評価の在り方」

文部科学省HPより


現在、小中学校は「履修主義」で高校、大学は「修得主義」です。

と上のリンクで文部科学省は言っています。


私は「義務教育は国民が高い能力と知識を身につけ、国を豊かにするために行うもの」

と考えていますので、義務教育の小学校、中学校は「修得主義」であって欲しいと考えています。

(高校、大学の話は、今はしません。)

現在の義務教育は、勉強が身についていても、いなくても関係なく卒業できる制度で運営されていますから、

同じ年齢で進級できない、同じ年齢で卒業できないことはかわいそうなことだ。

と考える人達に不満は少ないかもしれません。


ただ、私をはじめとして、

必要な知識を身につけないままに進級して以降の授業が全く分からない。

(例えば、分数や少数でつまずいて、以降の割合や速さなどが理解できない。など)

必要な知識を身につけないままに卒業して、就職することが難しい。

必要な知識を学校ではみにつけることができないから塾に通わなければいけない。

ということの方をかわいそうと考える人たちには

現在の小学校や中学校は応えることができていません。


この問題は、私のように外から学校を見ている者以上に

現場で日々子どもに接している先生の方が、

この現実を苦々しく感じている気がしています。


良い悪いの話ではなく、子どもの成長にも理解力にも個人差が大きくあります。

成長も理解力にも差がある子どもに対して、一律の授業をする。

しかも、9年という限られた時間の中で決められた内容を教えなければならない。


これは、最初から理にかなわないことを無理にやろうとしているように私には思えます。

この無理なことをなんとかやろうとして、学校の先生は頑張りすぎて疲弊し、

子どもは勉強が理解できずに勉強嫌いになり、一部の子は不登校になり、

ストレスから学校でのいじめの遠因にもなっているように私には思えます。


現在、小中学校で行われている「履修主義」は、

成長の早い子にも遅い子にも、またそれを指導する先生にとっても

不幸な制度だと私は感じています。


私は何十年と続いている「履修主義」をいきなり「修得主義」に変えろ!

とまでは思っていませんが、

「進級の基準に達していない子には補習を受ける権利を保障する。」

くらいは、文科省には謳って欲しいのです。

そうすれば、

特定の私立の学校に通うためでなく、

地元の公立の学校の授業が理解できないから塾に通う。

というようなバカげたことは必要なくなると思っています。


「学校の授業がわからないから塾に通う。」

それが普通、あたりまえ、みたいな風潮ですが、

私は、この風潮をはっきりと「おかしい。バカげている。」と思っています。


塾を経営しそれでご飯を食べている私が言うことの方が

おかしいと思われるかもしれませんが、

義務教育の内容を学校だけでは理解できないから、

お金を払って塾へ通わなければいけない。

こういう状況が子育てにお金がかかり、

子どもを産み育てる障害にもなっていると私は考えています。


学習塾の費用は年間30万~150万円かかると言われています。

そして義務教育の費用も子ども一人当たり、年間約100万円です。

日本ほど公教育に税金を投入しない国は先進国ではほぼありません。

子ども一人当たりの公費の負担を1.5~2倍にすれば、

ほとんどの塾が必要なくなり、少子化も解消する、と個人的には思っています。


けれど、現実にはそうでないわけで、

だから私は「定額料金・通い放題の塾」を始めました。

学校で「できるまで、みにつくまで」の教育ができないのであれば、

学校を補完する「修得主義」の教育の場が必要です。


強制されることなく、「好きなときに、好きなだけ学び、みにつくまでを保障する。」

誰でも受けられるように、可能な限り低料金で指導をする。

経済的に困難な子どもに対応するために、必ず無料の指導をする。

そういう教室を作りたいと思い、開業し、営業しています。


理想の教室にはなかなか届きませんが、

それでも無料の指導を営業時から少しずつ増やし、

営業時間を延長し、不登校の子どもに少しずつ対応できるようになってきました。

いつか、公教育が現在の「履修主義」から「修得主義」に変わり、

塾を必要としない社会になることを私は心から願っています。

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